症例1
上腕骨頚部(外科)骨折と肩関節脱臼の合併症例
はじめに


上腕骨頚部骨折は、高齢者に多い骨折の一つですが肩関節の亜脱臼を合併した症例において今回、保存的療法で非常に良い結果を得られたのでその整復と固定について考察を加え報告させていただきます。

症例

 66歳 女性

受傷年月日

平成11413

傷病名

左上腕骨頚部(外転)骨折

左肩関節脱臼

原因

 自宅廊下で足元わ滑らし転倒した際、肩から落ち負傷

初診時症状

 自発痛著明、三角筋の膨隆消失、起居動作困難

整復

 脱臼整復を第一に考え患者を側臥位にし、術者は両手示指,中指で

患者の腋か部にあて骨頭を触知し,他の指にて上腕骨を把握します。

 やや外上方に牽引しながら、愛護的に整復します

骨折部の整復は、かみ合った骨折の為骨折部を離開させない様に抹消牽引を避け

骨折部に動揺を与えないようにして固定します

固定

 上腕外側部に,副木,厚紙副子、アルミシーネ、腋か部に厚紙とちんしを併用した物

をあて、骨頭を正常位置に維持する様ガーゼを使用し上腕骨を中枢方向に圧迫する様に

提肘を施し患部の安静保持に務めました

経過
3日目]自発痛は消失したが起居動作は困難
[25日目] 起居動作は支障なくでき、自動運動を開始する

[35日目] 提肘を除去し日常生活動作をしやすくする。

[45日目] 自動運動で90°程度挙上可能となるが力が入らない

[50日目] 包帯除去し抵抗運動をさせる

[60日目] 日常生活になんら支障なく治癒とす 

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